【6月27日 AFP】英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利したことについて、匿名のEU高官は26日、英政府が正式な離脱手続きには踏み切らない可能性もあると述べた。

 このEU高官は、匿名を条件に「個人的な見解だが、英国は(離脱の意思をEUに)通知しないと思う」と語った。

 EU離脱を決めた加盟国は、2007年に調印されたリスボン条約(Lisbon Treaty)第50条に基づき、離脱の意思を欧州理事会(European Council)に通知しなければならない。英国が第50条を発動した場合、発動から2年間の協議期間を経て正式に離脱することとなる。

 取材に応じたEU高官は「われわれとしては、英政府には第50条を発動して態度を明確にするよう望む。ただ、強制はできないので、英国は(離脱まで)時間をかけるだろう」とコメント。「私自身は、英国が第50条を発動しない可能性も排除していない」と話した。

 デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は既に、10月までに辞任し、EUとの離脱交渉は後任に託すと表明している。EU首脳らは速やかな離脱手続きを求めて英国に圧力をかけているが、別のEU高官によれば、キャメロン首相が28日のEU首脳会議で第50条を発動する公算は低い。(c)AFP