【6月27日 AFP】イタリア沿岸警備隊は26日、リビア沖で26のゴムボートや船に乗った移民ら計3324人を救助したと発表した。これにより23日以降の4日間にイタリアが救助した移民や難民は1万人を超えた。

 これらの移民らはゴムボート25そう、木造船1隻で漂流したところをイタリアの沿岸警備隊や海軍の船舶に救助された。いずれもリビアの沖合55キロ未満の水域だったという。死者や死亡が疑われる事案はこれまでのところ伝えられていない。

 救助された移民らは全員、イタリア南部の複数の港に運ばれた。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のまとめによれば、2016年に入ってからイタリアに到着した移民や難民は今回救助された人を含めて6万6000人余りに上る。その大半をアフリカ諸国の出身者が占めている。

 1年のこの時期にイタリアに渡ろうとする移民らが増えるのは昨年と同じ傾向。当局者は救助数がこの数日増えた理由として、海が穏やかなため、リビアの港から定員超過の船で渡航させるのに伴う危険性が下がることを挙げている。

 2014年以来、欧州を目指して地中海(Mediterranean Sea)を渡る途中で1万人余りが命を落としており、うちの4分の1が年初来の死者となっている。

 この日の救助活動には欧州連合(EU)の「地中海EU海軍部隊(Eunavfor Med)」、欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス、Frontex)、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」、独NGO「シー・ウォッチ(Sea Watch)」の船舶も参加した。(c)AFP