【6月27日 AFP】(写真追加)イラク軍は26日、中部の要衝ファルージャ(Fallujah)でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最後の拠点を奪還し、1か月にわたる作戦の末、同市を全面的に掌握したと発表した。

 ハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相はファルージャの病院前で国営テレビ局イラキーヤ(Iraqiya)のインタビューに答え、ファルージャの奪還は「イラク人全てにとっての喜びだ」とたたえた。首相はこれに先立ち、ファルージャでIS側の限定的な抵抗に対処するだけとなっていたことから「勝利」を宣言していた。

 ただ、奪還作戦では数万人の市民が命を危険にさらしながら自宅から退避する事態となった。国内に残るISの最後の主要拠点である北部モスル(Mosul)奪還の準備をイラク軍が進める中、イラク政府などは人道危機への対処を迫られている。

 首都バグダッド(Baghdad)の西50キロに位置するファルージャの奪還作戦は、イランの支援を受けるシーア派(Shiite)民兵組織主体の準軍事組織「ハシド・シャービ(Hashed al-Shaabi)」の主導で5月22~23日に開始。エリート部隊がISの最後の拠点となっていた北西部のジョラン(Jolan)地区を奪い返し、完全な奪還を果たした。(c)AFP/W.G. Dunlop