【6月24日 AFP】「やった、勝ったぞ!」――英首都ロンドン(London)のウェストミンスター(Westminster)地区にあるオフィスビルでは24日、英国の欧州連合(EU)離脱か残留かを問う国民投票で離脱支持票が過半数を超えたことが伝えられると、集まった「離脱派」の人々から歓声が上がった。

 シャンパンボトルと英国旗ユニオンジャック(Union Jack)をモチーフにした巨大なケーキが飾られた離脱派のパーティー会場では、勝利の報に人々が歓喜の叫びを上げ、シャンパンの栓を次々と抜いて祝杯を挙げた。夜明けとともに「(EUから)出よう!出よう!出よう!」のコールも起きた。

「みんな欧州連合にはいい加減うんざりしているんです」と、50代のジョージアナさん。「英国は小さな島国。(移民には)対処できない。学校にも病院にも、受け入れる余地はありません」と述べ、離脱派陣営が掲げた主要政策の一つであるEUからの労働者流入の規制に期待を示した。

 一方、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール(Royal Festival Hall)でビール片手にテレビの開票速報を見守っていた「残留派」のパーティー会場では、対象的に落胆ムードが広がり、ショックのあまり手で口を覆う人の姿も。

 同じく「残留派」が集まっていたロンドン・エンジェル(Angel)地区にあるパブ「レキシントン(Lexington)」では、夜が白んで敗色が濃厚になると、やけ酒に走る人が増えた。

「国民投票がもたらした二極化が心配だ。地理的に(英国が)分裂してしまったようにみえる」とハーランさん(20)は懸念を示した。また、ビバリーさん(33)はロンドンに暮らす人たちのアイデンティティは一般の英国人とは違うと語った。「私たちはまず第一にロンドン市民で、次に欧州人。最後が英国人なのに」

 国民投票を「国際的な規模での抗議の投票」とみる人もいた。ジュリアスさん(39)は「30年にわたって引き継がれてきた新自由主義経済の結果がこれだよ」と語った。(c)AFP