【6月20日 AFP】世界のスーパーコンピューターの性能を競うランキング「TOP500」の最新版が20日発表され、米国の技術に頼らず自国製のマイクロチップを使用した中国製スーパーコンピューターが、同ランキングで初めて世界最速と認定された。

 同ランキングのウェブサイト「www.top500.org」によると、今回首位に立ったスーパーコンピューター「神威太湖之光(Sunway TaihuLight)」は、米インテル(Intel)のチップを使用した前回首位の中国製コンピューターよりも2倍速いという。今回、こうした性能を示したことで「中国はスーパーコンピューターの上位クラスで効率的に競うために、欧米のテクノロジーに依存せざるを得ないという臆測」に終止符が打たれると同サイトは述べている。

 また今回ランキング入りしたスーパーコンピューターのうち中国製は167台、米国製は165台で、同ランキング史上初めて中国製の数が米国を上回った。

 中国東部・江蘇(Jiangsu)省無錫(Wuxi)にある国営のスーパーコンピューター施設に設置されている「神威太湖之光」は、気候モデリングや生命科学の研究に用いられる予定。

 年に2度発表される「TOP500」は、ドイツと米国の専門家によるベンチマークテストで測定された処理速度に基づき順位が決められている。今回トップ10入りしたスーパーコンピューターを国別にみると、中国製が2台、米国製が4台で、残りは日本製、ドイツ製、スイス製、サウジアラビア製が各1台だった。(c)AFP