インド南部の州、酒販売500店を営業停止に 「禁酒州」めざす
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【6月20日 AFP】インド南部タミルナド(Tamil Nadu)州政府は19日、州内の酒類販売店500店舗に対し、営業停止を命じた。先月の州議会選挙で、暴力事件などのトラブル削減のため「禁酒州」となることを公約に掲げた州与党が再選されていた。
州政府によると、禁酒政策の一環として州営の酒販店500店舗を閉店するほか、その他全ての酒販店も営業時間を短縮する。
先月の議会選挙戦では、ジャヤラリタ・ジャヤラム(Jayalalithaa Jayaram)州首相を始め、各政党の党首がそろって禁酒策の導入を公約に掲げた。この公約は、飲酒が家庭内暴力や性的暴力事件の多くの原因であり貧困家庭の家計を圧迫していると考える女性有権者たちに支持された。
ただし有識者らは、酒好きな人たちは近隣州で酒を買って州内に持ち込むようになるだけで、しばしば多数の死者を出している密造酒の製造が増える恐れもあると警告している。
タミルナド州と隣接するケララ(Kerala)州は、2014年から一部ホテルでの酒類の販売を禁止している。東部ビハール(Bihar)州は今年から禁酒令を導入。また、西部グジャラート(Gujarat)州は既に数十年も前に禁酒令を導入済みで、北東の辺境地域にも酒類を禁じている州がある。(c)AFP