イラク軍奪還のファルージャ、避難民数万人 「人道危機」に警鐘
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【6月20日 AFP】イラク軍が中部ファルージャ(Fallujah)の大半をイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から奪還した後、大量の市民が市外への避難を余儀なくされている。ノルウェー難民委員会(NRC)は避難民が過去3日間だけで推定3万人に達していると指摘し、イラク政府に「人道危機」への対応を急ぐよう求めている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、イラク軍が1か月近く前にファルージャ奪還作戦を開始して以来、最多で8万4000人が自宅からの退避を強いられた。今後数日間でさらに多数の避難民が生まれると予想している。
こうした状況を前に、NRCのイラク責任者ナスル・マフラヒ(Nasr Muflahi)氏は「イラク政府にこの人道危機への対応を要請する」と述べた。
NRCは配給する水が急速に枯渇しており、必要な援助をこれ以上提供できないと説明。ファルージャ南部のアムリヤット・ファルージャ(Amriyat al-Fallujah)で新たに開設した避難民キャンプでは1800人を収容できるが、女性用のトイレは1か所しかないという。
同キャンプの関係者は、施設と資源がこの規模の危機に対処するには不十分だと指摘。「過去4日間に400世帯を受け入れたが、彼らは無一物だ。一部にはテントを確保したものの、それ以外の世帯は女性と子どもを含め、全員が炎天下で地べたに寝ている」と窮状を訴えた。
バグダッド(Baghdad)の気温は40度前後で推移しており、ファルージャのあるアンバル(Anbar)県はもっと暑くなることも多い。
ハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相は避難民への支援を約束している。(c)AFP/Haidar Mohammed Ali with Jean-Marc Mojon in Baghdad