LGBT集会に催涙ガス、トルコ・イスタンブールの機動隊
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【6月20日 AFP】トルコのイスタンブール(Istanbul)で19日、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)コミュニティーが開催した集会の解散を求め、機動隊がゴム弾と催涙ガスを使用する事態となった。開催された市内広場での集会は禁じられていた。
集会は、2013年以降、すべてのデモ行為が禁止されているタクシム広場(Taksim Square)での開催が呼びかけられていた。警察官ら数百人が広場を取り囲み、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」中の集会「トランスプライド(Trans Pride)」の開催を阻止した。
集まった約150人に対して機動隊がゴム弾や催涙弾を使用すると、参加者らは近くの通りに次々と逃げ込んだ。報道によると、少なくとも2人が拘束されたという。
「トランスプライド」は、トルコのLGBT週間の開幕イベントとなる予定だったが、当局は17日、「安全と治安を守る」ために、26日に予定されていた恒例のゲイプライドパレードを禁止すると発表していた。
トルコのドアン(Dogan)通信によると、19日の集会前には、イスラム教徒と思われる反同性愛者ら11人がタクシム広場付近で拘束されている。先週には、国粋主義者らのグループが、ゲイプライドパレードを中止させるよう当局に要請し、警察が対応を怠るようであれば、自分たちが中止させると話していた。
イスタンブールでの恒例のパレードは、過去12年間、毎年数千人が参加し平穏に開催されていた。地域のイスラム教国で開かれるLGBTイベントとしては最大規模だ。
17日夜には、イスタンブールのレコード店で英ロックバンド「レディオヘッド(Radiohead)」の新作視聴会に集まったファンらと店員が、ラマダン中に酒を飲んだとして、イスラム教徒約20人から暴行を受けた。これに抗議して18日には約500人が集まったが、警察が催涙ガスとゴム弾、放水銃を使い退散させている。(c)AFP/Ozan KOS