【6月18日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は17日、カリブ(Caribbean)海の米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)でジカウイルス感染者が急増しており、数千人の妊婦と胎児に危険が迫っていると警鐘を鳴らした。

 米国内のジカウイルス感染者数は、プエルトリコの約1400人が最多。米本土では756件の感染例が報告されている。このうち妊婦は、ジカ熱を発症していない感染者も含めて米本土で234人、プエルトリコを含む米領内で189人となっている。

 CDCのトム・フリーデン(Tom Frieden)所長は、プエルトリコでの感者急増により「今後数か月間で、数千人の妊婦が感染し、小頭症の新生児が多数誕生する恐れがある」と述べた。

 フリーデン所長によると、プエルトリコで4月3日~6月11日に献血された血液のサンプル1万2777点を検査したところ、0.5%がジカウイルス陽性反応を示した。しかし、6月5日~11日の1週間に献血された血液では、陽性反応の割合が1.1%と高かったという。

 フリーデン所長は「献血者というのは一般人口を代表するものではないが、献血された血液で陽性反応が増加したということは、一般人口における感染者数の増加を意味する可能性が高い」と述べた。

 ジカウイルス感染は世界60か国・地域で報告されており、大半は中南米とカリブ諸国、南太平洋に集中している。

 米保健当局者は17日、米国内でジカウイルスに感染した妊婦6人の胎児と新生児に先天異常が確認されたことを明らかにした。専門家は、北半球で夏を迎えるこれからの時期に米本土で感染が拡大する恐れが高いと警告している。(c)AFP