【6月18日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)州は17日、8月に開幕するリオデジャネイロ五輪を前に、深刻な財政危機による「非常事態」を宣言した。

 非常事態宣言は、五輪・パラリンピックの開催は「生活に不可欠な公共サービスの提供に重大な問題を引き起こし、治安、健康、教育、交通、環境管理の破綻さえ招きかねない」としている。

 この宣言によって同州は、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックを開催するため「必要とされるあらゆる緊急措置」を取り、生活に不可欠な公共サービスを制限することができるようになる。フランシスコ・ドルネレス(Francisco Dornelles)知事代行は自らが署名した非常事態宣言の中で「公共機関の不安定さはわが国のイメージを損なうだろう」と指摘した。

 リオデジャネイロ州は世界的な原油安の影響で財政難に陥っており、この財政危機の影響で警察官をはじめとする公務員の給与の支払いが遅れている。年金生活者も未払いの年金の支払いを求める抗議デモを起こしている。

 同州だけでなくブラジル全土が深刻な不況にあえいでいる。南米初開催となる五輪・パラリンピックは、それぞれ8月5~21日、9月7~18日にリオデジャネイロで開催される予定。(c)AFP