【6月17日 AFP】パキスタンで、家族の反対を押し切って結婚し、2人目の子どもを妊娠していた女性(22)が、両親と兄弟によって殺害された。警察当局が17日、発表した。パキスタンでは親が認めない相手との交際などで家族の名誉を汚したとして女性らが殺害される「名誉殺人」が後を絶たない。

 警察当局のモハマド・アルシャド(Mohammad Arshad)捜査官によると、ムカダス・ビビ(Muqaddas Bibi)さんは3年前、恋愛結婚を恥と考える家族の反対を押し切ってタウフィク・アフメド(Taufiq Ahmed)さんと結婚した。

 結婚後、ビビさんと家族は疎遠になっていたが、アルシャド捜査官によると、母親と兄弟が16日、ビビさんが検査を受けていた病院に現れ、ビビさんの決断を家族が認めたと話し、帰宅するようビビさんを説得したという。

 地元警察署長のゴハル・アッバス(Gohar Abbas)氏によると、両親の家に到着したビビさんは、父親と兄弟、母親にナイフで首を切られ、その場で死亡した。ビビさんには生後10か月の赤ちゃんがおり、妊娠7か月だった。

 事件が起きたのは同国北東部パンジャブ(Punjab)州の州都ラホール(Lahore)の北約75キロにあるブッタランワリ(Buttaranwali)村。アッバス氏によるとビビさんの両親や兄弟は事件後、自宅から逃走したという。警察当局は、殺人教唆の容疑で親族の身柄を拘束するとともに、逃亡した家族の行方を追っている。(c)AFP