ベトナム食肉処理場、豪州からの輸入牛をハンマーで「撲殺」
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【6月17日 AFP】ベトナムの食肉処理場の作業員らが、オーストラリアから輸入された牛を大きなハンマーで打ち殺す様子を撮影したと、豪動物愛護団体が16日、明らかにした。愛護団体は輸出業者らに対し、ベトナムの食肉処理場への家畜の供給を止めるよう働き掛けている。
豪動物愛護団体、アニマルズ・オーストラリア(Animals Australia)の秘密調査員らが先月撮影した映像には、1頭の牛が作業員1人に頭をハンマーで5回殴られ、地面に倒れ込む様子が映っていた。そばには他に2頭の牛が倒れていた。この作業員はさらに4回牛を殴って死に至らしめた。
アニマルズ・オーストラリアによると、調査員らが訪れたのは、数百万ドル規模の食肉処理産業の拠点であり、豪州にとって生体牛の最大の輸出市場であるベトナム北部から中部の食肉処理場13か所。映像は16日、豪公共放送ABCが放映した。
動物愛護運動を率いるリン・ホワイト(Lyn White)氏はABCに対し、豪州が求める食肉解体業の認可要件を満たした処理場は、2か所だけだったと語った。
アニマルズ・オーストラリアによると、追跡によって輸出元をたどれないよう、牛の耳からは耳標が外されていた。また殺処理は「不潔で、非衛生的な状態」で行われていた。
同団体がベトナムの食肉処理場での動物虐待疑惑を暴露し、豪輸出管理当局が要件とする豪政府の認可がない施設で豪州産の牛数千頭が殺処理されていると主張したのは、これが2度目だ。
豪農業・水資源省は、録画された映像の家畜はおそらく豪州から輸出されたものだとの見解を示し、調査を命じた。同省は声明で「輸出業者には、現在ベトナムにいる牛の安泰を守る緊急措置を取ることができるよう、直ちに不満を伝えた」と述べている。(c)AFP