【6月17日 AFP】(写真追加)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は16日、12日に同国現代史上最悪の銃乱射事件に見舞われたフロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)を訪問した。犠牲者の遺族らと面会し、野党・共和党が過半数を握る連邦議会に、銃規制法案を通すよう大統領権限を最大限行使して求めていく考えを示した。

 オーランドの同性愛者向けナイトクラブ「パルス(Pulse)」で発生したこの大惨事を受けてオバマ大統領は、議員らは「今こそ毅然(きぜん)とした態度で銃規制法案を可決する」必要があると訴えた。

 さらに大統領は、党利党略にとらわれ過ぎた銃火器の議論の論調を「変える必要がある」と述べた。

 共和党が多数を占めている議会では、憲法で認められている銃所有者の権利が侵害されるとして、銃規制に関するあらゆる法案の通過を断固拒否してきた。

 超党派の精神を象徴する異例の演出として、オバマ氏はフロリダ州選出の上院議員で、米大統領選の共和党の指名獲得を目指していたマルコ・ルビオ(Marco Rubio)氏と共に到着し、滑走路ではフロリダ州のリック・スコット(Rick Scott)知事(共和党)とジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領の出迎えを受けた。

 オバマ氏とバイデン氏は、事件発生後の混乱の中で必死の救命活動に当たった救助隊員らや病院の職員らとも面会した。

 アフガニスタン系でイスラム教徒だったオマル・マティーン(Omar Mateen)容疑者(29)は突入した警察に射殺された。マティーン容疑者が特殊部隊用のアサルトライフを入手した経緯が大きな議論を呼んでいる。(c)AFP