【6月16日 AFP】米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)の銃乱射事件を受け、米上院でテロ容疑者の銃購入を規制する法案の採決を求めて前日に議事妨害(フィリバスター)を行った民主党は16日、採決に向けた道のりを勝ち取ったと発表した。米大統領選で共和党の指名を確実にしているドナルド・トランプ(Donald Trump)氏も15日、テロ容疑者の銃器購入を防止する法案を受け入れる姿勢があることを示唆していた。

 民主党のクリス・マーフィー(Chris Murphy)上院議員は16日未明、ツイッター(Twitter)で勝利宣言し、共和党と民主党の上院指導部は、銃の見本市とオンラインでの銃販売の際の身元確認を強化する修正案と、「テロ監視リストに名前のある人物が銃を入手できないようにする法案について…採決に向けた道のりを進む」ことで合意したと述べた。

 これに先立って、大統領選を通じて憲法で定められた銃所持の権利の支持を繰り返し表明していたトランプ氏は、強固な銃支持派の姿勢を修正し、テロ監視リストに名前のある人物の銃購入を禁止する措置を望むと表明していた。

 トランプ氏は、オーランドの同性愛者向けナイトクラブで12日に49人が殺害された事件を含め、銃撃事件の後には、民間人が武装していて反撃できていれば犠牲者が出るのを防げていただろうと主張していた。だが、オーランドでの事件の容疑者がテロへの関連で捜査対象になった過去が判明し、監視リスト入りしていたとの報道が出ると、トランプ氏はいわゆる「テロの抜け穴」をふさぐ方針を表明した。

 トランプ氏は15日、ツイッターで「私への支持を表明した全米ライフル協会(NRA)と面会し、テロ監視リストまたは搭乗拒否リストに名前のある人物に銃の購入を認めない方針について話し合う予定だ」と述べていた。

 NRAは15日、トランプ氏とは「喜んで会合に臨む」としたが、この前日には「『監視リスト』に入っている人物の銃購入を禁止するといった規制は効果がなく、憲法に違反している」と述べており、トランプ氏はNRAと対立する可能性がある。(c)AFP