【6月17日 AFP】チェコ西部ベチョフ・ナト・テプロウ(Becov nad Teplou)にある城の礼拝堂に人知れず残っていた貴重なビンテージワイン・コレクションが、このたび公開された。

 サスペンスのようなストーリーを持つコレクションで、第2次世界大戦(World War II)末期、ナチス・ドイツ(Nazi)とつながりのあったチェコの貴族たちが城から逃走する際に隠したものだという。それから約40年後、現金が枯渇した共産党政権の秘密警察は、内部情報に基づいてベチョフ城(Becov Castle)の礼拝堂を捜索し、床下から1800年代物を含む大量のワインを発見した。しかしなぜかビンテージワインたちは、ほこりをかぶったまま現在まで木の棚に放置されていた。

 公開された133本のコレクションには、シャトー・ディケムの1896年物や、ペドロ・ヒメネスの1899年物など大変貴重な銘柄が多く含まれており、ワイン通の間ではその話題で持ち切りだ。ペドロ・ヒメネスを試飲したソムリエによると、香りはキャラメルとレーズンとナッツ、色は鮮やかな琥珀を帯びているという。

 コレクション全体の価値は推定2000万チェコ・コルナ(約8600万円)と評価されているが、オークションに出品されれば競り値は高騰するだろうという。(c)AFP