【6月16日 AFP】交際相手の女性を射殺したとして殺人罪で有罪が確定した南アフリカの両足義足のランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告(29)が15日、来月の量刑言い渡しを前に、義足を外した状態で法廷を歩いて身体の虚弱性を訴えた。

 首都プレトリア(Pretoria)の高等裁判所に出廷したピストリウス被告は短パン姿で、被告側弁護人のバリー・ルー(Barry Roux)弁護士の要請を受けて両足の義足を取り外すと、法廷内の机を支えにしながら、おぼつかない足取りでトコジール・マシパ(Thokozile Masipa)裁判長の前を歩いてみせた。

 ピストリウス被告は2013年2月14日、恋人だったリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さん(当時29)を銃で撃って死亡させた。裁判では、侵入者と勘違いして寝室のバスルームのドア越しに発砲したと主張したが、2014年に過失致死罪で有罪判決を受け、今年3月に上訴棄却で殺人罪が確定した。

 この日は3日間に及ぶ量刑審理の最終日で、検察側は禁錮15年以上を求刑。一方、寛大な量刑を求めているルー弁護士は、ピストリウス被告の障害の影響を強調し、事件当時について「午前3時で辺りは暗く、被告は義足を付けていなかった。体のバランスをとるのさえ難しい状態では、身を守ることはできなかっただろう。被告は不安で、おびえていた」と訴えた。

 マシパ裁判長は、ピストリウス被告の量刑は7月6日に言い渡すと述べた。(c)AFP/Sibongile KHUMALO