【6月14日 AFP】英首都ロンドン(London)のサディク・カーン(Sadiq Khan)市長は13日、同市の公共交通機関網で、「体への自信に関する問題」を抱かせる原因となる可能性が高い広告の掲載を7月から禁止すると発表した。

 この新規則は、地方行政機関のロンドン市交通局(TfL)が運営する地下鉄、バス、路面電車、鉄道などを含む公共交通機関網に毎年掲載される約1万2000件の広告すべてに適用される予定だ。

 ロンドン市長執務室が発表した声明によると、TfLの広告掲載権は世界で最も価値が高く、2025年末までに15億ポンド(約2250億円)以上の収益を生み出すことが見込まれているという。

「非現実的な、健康的でない体形に合わせなければならないというプレッシャーを生じさせる可能性が高い、または特に若者の間で、体への自信に関する問題を生じさせる可能性が高いと合理的にみなされる広告について、TfLは7月より掲載を許可しない」と、声明は述べている。

 野党の労働党から出馬して5月に当選したカーン市長は、自身の個人的な経験が、行動を起こすきっかけとなったと話している。

「人々、特に女性の品位を傷つけたり、人々に自身の体を恥ずかしいと感じさせたりする可能性のあるこの種の広告に関しては、10代の女の子2人の父親として、極めて憂慮している。これはいいかげんに終わりにするべきだ」とカーン市長は話す。

「地下鉄やバスに乗って移動している際に、体をめぐる非現実的な期待へのプレッシャーを与えられるなど、誰にもあってはならないことだ。広告業界には、これについてはっきりと伝えたいと考えている」(c)AFP