【6月14日 AFP】米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)の同性愛者向けナイトクラブで起きた銃乱射事件で射殺されたオマル・マティーン(Omar Mateen)容疑者(29)について、米連邦捜査局(FBI)は13日、イスラム過激派のプロパガンダに触れて過激思想に感化されていたとの見解を示した。

 12日の事件では49人が死亡、53人が負傷し、米国で起きた銃乱射事件としては史上最悪、テロ攻撃としては2001年9月11日の同時多発攻撃以降で最悪の事件となった。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は13日、犯行を認める声明を発表。ナイトクラブ「パルス(Pulse)」を襲い、現場で警察によって射殺されたマティーン容疑者が「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)の国の在米の兵士の一人」として犯行に及んだと主張している。

 しかし捜査当局は、同容疑者がイスラム過激派組織の指示を受けていたのか、あるいはプロパガンダに触発された単独犯だったのかを解明しようと調べを進めている。

 FBIのジェームズ・コミー(James Comey)長官は、「国外から指示を受けた計画だったことを示唆するものは見つかっていない。また容疑者が何らかのネットワークに所属していたことを示唆するものも見つかっていない」としている。

 一方でコミー長官は、同容疑者がインターネット上のプロパガンダに触れて「過激思想に感化」されていたことをFBIは「強く確信」していると説明。また、犯行の最中にかけた一連の電話で同容疑者がISのアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)最高指導者に忠誠を誓ったと主張していたことも明らかにした。

 さらに長官は、捜査はまだ初期段階であることを強調しながら、「当然ながら、同性愛に対する偏見が事件の動機となった可能性についても見極めようとしている」と話した。(c)AFP/Thomas URBAIN Daniel WOOLLS