【6月12日 AFP】男子テニス、メルセデス・カップ(MercedesCup 2016)は11日、シングルス準決勝が行われ、マッチポイントを2回も逃すという、らしくない展開に持ち込まれたロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、6-3、6-7、4-6でドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)に敗れた。

 トップシードのフェデラーは、腰部の故障で全仏オープン(French Open 2016)を欠場してから、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)に向けて立て直しを図っているものの、雨天中断を挟んだ試合で若手の前に屈した。

 全仏オープンで4強入りを果たし、トップ10に仲間入りしたばかりのティエムは、決勝でフィリップ・コールシュライバー(Philipp Kohlschreiber、ドイツ)と対戦する。

 マッチポイントをふいにしたせいで、ストレート勝ちを逃したことについて、フェデラーは「マッチポイントを無駄にするのは、いつだって少しは悔しいもの」とし、「厳しいコンディションの中で、お互いよく戦った」と試合を振り返った。

 8月で35歳になるスイスの伝説、フェデラーは、第1セットを難なく先取したものの、第2セットではゲームカウント1-5の劣勢に立たされた。

 ここから4ゲームを連取し、巻き返したフェデラーは、タイブレークで2回マッチポイントを握ったが、ティエムがこれを両方しのいで、逆にセットを奪い返した。

 第3セットでは2度の雨天中断が挟まれたが、第7ゲームで1ブレークアップとしたティエムが、そのまま逃げ切った。

 ティエムは、先月のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2016)でもフェデラーに勝利していたが、そのときは相手の故障に助けられた面もあったとして、今回の勝利は格別だと語った。

「今日のコートで得た感覚は、テニス人生で最高のものだった。そしてこの試合は、間違いなくキャリア最高の一つになった。まさか自分が芝でここまで良いテニスをできるとは」

「ローマ(Rome)での彼(フェデラー)は万全の状態ではなかったし、全仏に向けて調子をみている感じだった。だから、あの勝利は今日ほどの意味を持たなかった。芝は、おそらく彼が最も得意とするサーフェスだからね」

(c)AFP/Scott WILLIAMS