【6月12日 AFP】フランス南部のマルセイユ(Marseille)で11日、サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)のイングランド対ロシア戦を前に双方のサポーターらが路上で乱闘を繰り広げ、イングランドのサポーター1人が重体となった。

 両チームにとって初戦となるこの試合を控える中、マルセイユではサポーター同士の衝突が数件発生。機動警察が出動して催涙弾や高圧放水砲で鎮圧を図ったものの、乱闘で少なくとも19人が負傷した。

 マルセイユでは過去3日間サポーターによる乱闘が続いている。上半身裸のサポーターがビューポール(Vieux-Port)地区で食堂の椅子や瓶を投げ合い、道の上には割れたグラスの破片や瓦礫が散乱。数百人規模のサポーターが椅子を持って通りの石段に押し寄せる一幕もあった。

 乱闘は大勢のサポーターが長い間飲酒をしていたことから始まったという。地元警察幹部のローレン・ヌネェス(Laurent Nunez)氏は、事件で英国人サポーター1人が重体だと明らかにした。警察関係者によると、鉄の棒で「頭部の辺り」を殴られたとみられ、現場で緊急処置が施された後に病院に搬送された。

 10日夜の乱闘では7人、11日には6人が拘束された。警察は9日にもイングランドのファンが関係した乱闘を鎮圧していた。

 仏国内の会場10か所で開催される欧州選手権2016では、出場選手や200万人に及ぶ外国人観光客を守るために、警官や民間の警備員計約9万人が動員されている。(c)AFP/Martyn WOOD Andrea PALASCIANO