【6月11日 AFP】イスラエルのメディアは10日、テルアビブ(Tel Aviv)で8日に起きた、パレスチナ人2人が銃を乱射しイスラエル人4人が死亡した事件の際、イスラエルの警察官が避難する民間人と誤って銃撃犯とみられる男1人を自宅に招き入れ、後に逮捕していたと報じた。

 10日の現地日刊紙イディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)によると、テルアビブの商業施設で乱射事件が発生した直後、現場から避難する民間人数百人の中に、妻や親族とアイスクリームを食べていた非番の警察官が含まれていた。

 警察官の妻は「私たちはわが家へ向かって走った。安全な場所へ避難するためと、夫は自分の拳銃を取りに行った。アパートに入り部屋のドアを開けると、私たちの横にもう1人いた。その人物に誰かと聞いたが何も答えず、ただ『水を、水を』とだけ言った」と語った。男は体にぴったりした黒色のスーツを着て、ネクタイをしていた。妻は「私たちと同じ市民だと思った」という。

 夫の警察官は銃を取り、乱射事件の容疑者と妻ら家族を家に残し、再び現場へ急行。現場に到着して容疑者を見た警察官は、その容疑者が家に残してきた男と同一のスーツを着ているのを見て、慌てて家へ戻って男を逮捕した。

 妻は「夫は銃を抜いた状態で戻って来て、テロリストをつかんで床に押さえつけると手錠をかけた。最初は、私たちと一緒に座っていた無実の市民に何をしているのか理解できず、怖かった。けれど夫は『他のテロリストと同じ服装をしている』と言った」と語った。

 現在、事件についてはかん口令が敷かれているため、警察は報道の真偽について公表を避けている。(c)AFP