【6月11日 AFP】米人気プロレスラーのハルク・ホーガン（Hulk Hogan）さんのプライバシーを侵害したとして、1億4000万ドル（約150億円）の賠償を命じられた米ゴシップサイト運営のゴーカーメディア（Gawker Media）が10日、連邦破産法11条の適用を申請し、事実上経営破たんした。ホーガンさんの訴訟は、シリコンバレー（Silicon Valley）の富豪が資金援助をしていたことでも注目を集めていた。

　ゴーカーはニューヨーク（New York）の裁判所での破産申請後、ブランドを出版企業のジフ・デイビス（Ziff Davis）に売却することで合意したと発表した。

　ゴーカーはホーガンさんと友人の妻との性行為を隠し撮りした動画をインターネット上に公開。ホーガンさん側がプライバシーを侵害されたと訴え、今年3月にフロリダ（Florida）州の裁判所で陪審から懲罰的賠償2500万ドル（約28億円）を含む1億4000万ドルの巨額賠償を命じられていた。

　破産申請書によれば、ゴーカーは資産5000万～1億ドル（約53億～107億円）に対して負債が1億～5億ドル（約107億～535億円）に上っている。

　この訴訟は、オンライン決済サービス「ペイパル（PayPal）」の共同創設者で著名投資家のピーター・ティール（Peter Thiel）氏が、ホーガン氏を含めゴーカーを相手取って裁判を起こした人への資金提供を認めたことから、さらに関心を集めていた。ティール氏は、自身を同性愛者だと報じたゴーカーを長年、目の敵にしてきた。

　ゴーカーをめぐっては、有名人のゴシップをタブーなしに載せる方針が批判を浴びる半面、ティール氏の訴訟支援が明るみに出たことで、強力な利害関係者が金にものをいわせて自分に不都合な記事を掲載したメディアを黙らせようとすることの是非も問題になった。(c)AFP/Rob Lever