【7月11日 AFP】サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)は10日、決勝が行われ、ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が負傷退場する中、延長戦でエデル(Eder)が決勝点を挙げて1-0で開催国フランスを下し、主要国際大会初優勝を飾った。

 ロナウドは、ディミトリ・パイェ(Dimitri Payet)の激しいタックルを受けて前半途中にピッチを後に。しかし延長後半4分、タッチライン際に戻ったロナウドの前で、エデルが約23メートルの距離から決勝点を決めた。

 開催国として臨んだ2004年の欧州選手権決勝で0-1でギリシャに敗れてから12年、ポルトガルはフランスに同じ運命をたどらせた。

 ディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は、フランスを主要大会4度目、母国の地では1984年の欧州選手権、主将として望んだ98年のW杯(1998 World Cup)に次いで3度目となる優勝を目指していた。しかしトロフィーを掲げたのは、表彰台まで足を引きずりながら上がっていたロナウドだった。

 84年と2000年の欧州選手権、2006年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)準決勝など、フランスに10連敗を喫してたものの、ポルトガルはその記録を止めている。

 大会を通じて90分間での勝利は、準決勝のウェールズ戦のみというポルトガルだったが、トロフィーを獲得。フェルナンド・サントス(Fernando Santos)監督は、チームを「醜いアヒルの子」と評していた。

 序盤で試合を退いたものの、この優勝はロナウドにとっては格別なものとなった。当時19歳だった04年の敗戦時にピッチ上で泣いたロナウドは、この日も担架で運ばれる際には落涙していたが、試合終了後には歓喜の涙を流した。

 主要タイトルを手にしたことでロナウドは、母国のレジェンドであるエウゼビオ(Eusebio)氏やルイス・フィーゴ(Luis Figo)氏を追い抜き、さらに、2週間前に代表引退を表明したリオネル・メッシ(Lionel Messi)との世界年間最優秀選手「FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」の争いで、一歩抜きんでた。

 延長開始を前にピッチサイドに戻ってきたロナウドは、選手を鼓舞し、チームもそれに応えるかのように勝利を手にした。(c)AFP