【6日8日 AFP】シンガポール政府は8日、政府が運用するワークステーションのインターネット接続をセキュリティー上の理由で1年以内に遮断する方針を表明した。世界で最もインターネットが普及している国の一つであるシンガポールでこのような対応は驚きといえる。

 シンガポールの日刊紙ストレーツ・タイムズ(The Straits Times)は、インターネットに接続できなくなるコンピューターは約10万台となると報じたが、これを受けてシンガポール情報通信開発庁(IDA)は、今回の決定により障害の出る政府業務はないと表明した。

 IDAはAFPの取材に対し書面で回答し、「特定グループの公務員のワークステーションからインターネット接続の切断を始めた。残りの公務員(のコンピューター)についても1年以内に順次実施する予定だ」と述べた。

 業界筋によると、この対応の狙いは、サイバー攻撃の防止と、インターネットに接続できるワークステーションを経由して政府の電子メールネットワークにマルウエア(悪意のあるソフトウエア)が侵入するのを防止することだという。

 シンガポールはインターネットが世界で最も普及している国の一つで、婚姻届や告訴、医師による映像診察など幅広い行政サービスがインターネットを通じて利用できる。

 ストレーツ・タイムズによると、職務にインターネット接続が必要な公務員には別途、専用のインターネット端末が配布されるという。(c)AFP