【6月8日 AFP】ブラジルの連邦警察は7日、リオデジャネイロ五輪の主要会場の一つの建設を請け負っているコンソーシアム(企業連合)が不正行為や横領を行った疑いがあるとして事務所を強制捜査した。

 警察の声明によると、捜査を行ったのは地場建設大手のOASとケイロス・ガルバン(Queiroz Galvao)が率いる「デオドーロ・コンプレックス・コンソーシアム(Deodoro Complex Consortium)」の事務所。廃棄物の運搬や処理先に関して、公用文書の偽造や超過請求などの不正行為に関与した疑いがもたれている。

 警察は他に2社の事務所でも強制捜査を行ったが、社名は明らかにしていない。

 コンソーシアムが建設を担ったリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)北部デオドーロ(Deodoro)地区の施設は、南米初の五輪として8月5日に開幕するリオ五輪で使用される主要会場4か所の一つ。大会中には馬術や7人制ラグビーなど11種目の競技が行われることになっている。

 デオドーロ会場をめぐっては、連邦資金の使用状況を点検する連邦監査事務局が2015年半ばに不正の疑いを指摘して以来、当局が調査を進めており、透明性・監察・監督省によると連邦側に8500万レアル(約26億円)の損失が出ている。また今年3月には、会場向けの予算1億2800万レアル(約40億円)が凍結されている。

 コンソーシアム側は、不正行為は一切ないと否定している。

 リオ五輪大会組織委員会の広報担当者は、今回の捜査が開催準備に影響する恐れはないとしている。(c)AFP