【6月7日 AFP】中国当局はイスラム教徒が多数を占める新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の一部地区の住民に対し、旅券(パスポート)発給など渡航関係の書類を申請する際にDNAサンプルなどの提出を義務化した。地元メディアが伝えた。

 国営地方紙・伊犁日報(Yili Daily)が現地公安当局の発表として伝えたところによると、同自治区伊犁カザフ(Yili Kazakh)自治州の住民は今月1日から、渡航関係書類を申請するために、指紋、声紋、「3D画像」を警察に提出しなければならないという。

 新疆ウイグル自治区のイスラム系住民の多くは、この地区の文化や宗教に対する統制に加え、パスポート発給の拒否などは差別だと非難している。

 同紙によると、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の開始直前に導入された新方針は、パスポートの発給・更新申請や、台湾への渡航、香港(Hong Kong)・マカオ(Macau)への出入に関する申請に適用され、要件を満たさない人は書類の発行を拒否される。(c)AFP