【6月7日 AFP】バングラデシュで警察のテロ対策担当幹部の妻が3人乗りのバイクで通りかかった襲撃犯に殺害される事件があり、これを受けてアサドゥザマン・カーン(Asaduzzaman Khan)内相は6日、運転者以外に2人以上をバイクに乗せることを禁止すると発表した。一方、7日には西部の村でヒンズー教の聖職者が何者かに襲撃されて殺害された。

 バングラデシュ南部の都市チッタゴン(Chittagong)では5日、警察幹部バブル・アクテル(Babul Akter)氏の妻、マムーダ・ベグム(Mahmuda Begum)さん(35)が子どもをスクールバスのバス停まで送ろうとしていたところ、1台のバイクに相乗りした襲撃犯3人に刺され、射殺された。警察はこれまでに容疑者4人の身柄を拘束している。

 アクテル氏は最近、同市で実施した非合法イスラム過激派組織ジャマトゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)の幹部に対する掃討作戦を率いていた。作戦ではJMBの地区司令官を殺害するなどの成果を上げており、カーン内相は襲撃はJMBによる報復だったとの見方を示している。

 貧困国バングラデシュの渋滞のひどい道路では、3人以上がバイクに同乗する光景はよく見かけられる。一方、警察によれば、過激派らは襲撃の際にバイクを使用することが多い。

 バングラデシュでは過去3年間に世俗派やリベラル派の活動家、少数派宗教の信徒ら40人以上が殺害されている。警察によると、西部ジェナイダ(Jhenidah)県の村では7日、ヒンズー教の聖職者(70)が複数の襲撃犯に殺害された。自宅近くの稲田で見つかった遺体は、頭部が首からほぼ切断された状態だったという。(c)AFP