マレーシアのアーティスト、首相をピエロに見立てた風刺画で起訴
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【6月6日 AFP】マレーシアで6日、大規模な汚職疑惑に抗議するため、同国のナジブ・ラザク(Najib Razak)首相をピエロに見立てた風刺画像を描いたアーティストが、マルチメディア法に違反するとして起訴された。
グラフィック・アーティストのファミ・レザ(Fahmi Reza)氏(38)によるナジブ首相の風刺画像は今年に入ってインターネット上で拡散し、この画像を使ったポスターやステッカーも公共の場に現れるなど、英国の覆面ストリートアーティスト、バンクシー(Banksy)氏にレザ氏をなぞらえる向きもあった。
しかしファミ氏は、他人に対する「迷惑、罵倒、脅迫、嫌がらせ」を行ったとみなされ、オンライン・コンテンツを流布させることを禁じる同国の通信・マルチメディア法の条項に違反するとして起訴された。ファミ・レザ氏は罪状認否で無罪を主張した。
ファミ氏を担当する弁護士によれば、有罪になった場合、禁錮1年の実刑と罰金5万リンギット(約130万円)を科される可能性がある。この弁護士は「これは基本的に(自由な)表現の犯罪化だ」と非難している。警察はまた扇動罪の疑いでもファミ氏を捜査しているという。
ファミ氏は6日、フェイスブック(Facebook)への投稿で「芸術という武器を使って、腐敗した統治者たちを批判する私の権利を守る」ことを誓った。ファミ氏が制作した風刺画で、ラジブ首相は白いパウダーで顔を塗り、邪悪そうに眉をつり上げ、血のように真っ赤な口をもつピエロのように描かれていた。(c)AFP