臓器売買グループ、先進医療の病院で腎臓を「調達」 インド
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【6月5日 AFP】インドの先進医療を提供する病院が、臓器売買グループが関与していることを知らずに、被害者から腎臓を摘出する手術を行っていたことが分かった。病院側は、摘出した腎臓が手術を受けた人々の親族に提供されると信じ込んでいたという。病院の広報担当者が4日、売買に関与した疑いで5人が逮捕されたことを受けて明らかにした。
警察によると、首都ニューデリー(New Delhi)にあるアポロ病院(Apollo Hospital)の職員2人を含む臓器売買グループは、低所得者に対して30万ルピー(約48万円)で腎臓を売るよう持ち掛け、その後、さらに高額でそれを転売していた疑いが持たれている。
容疑者らは偽造書類を利用して、摘出手術を受ける人の腎臓が移植を必要としている親族に提供されるかのように装い、病院側をだましていた。関与が疑われている病院職員2人は、上級の腎臓専門医の助手を務めていたという。
インドでは臓器取引が法律で禁止されており、非親族に移植臓器を提供するには特別委員会の承認が必要。アポロ病院で腎臓の摘出手術を受けた被害者たちは、南部タミルナド(Tamil Nadu)州から東部の西ベンガル(West Bengal)州まで、全国に及んでいる。(c)AFP