【6月5日 AFP】サッカーフランス代表のディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督の自宅の壁に4日、「レイシスト(人種差別主義者)」の落書きがされていたことが明らかになった。デシャン監督は先日、カリム・ベンゼマ(Karim Benzema)から「フランスの人種差別的な一部のプレッシャーに屈した」と批判されていた。

 スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するベンゼマは、10日開幕の欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)に出場するフランス代表メンバーから落選し、デシャン監督を批判していた。

 警察はAFPに対し、仏西部コンカルノー(Concarneau)のブルターニュ(Brittany)にあるデシャン監督の自宅に「レイシスト」の落書きがあり、すぐに消されたことを認めた。そしてデシャン監督の弁護士は、同監督が「不法侵入と器物損壊」で訴訟を起こすことを明かしている。

 28歳のベンゼマは、代表でチームメートだったマチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)を「セックステープ」で脅迫したとして、昨年12月から代表招集を無期限で見送られている。ベンゼマは代表落選について、スキャンダルではなく、自身がアルジェリアにルーツを持っていることが原因だと発言し、各方面から批判を集めている。

 フランスのマニュエル・バルス(Manuel Valls)首相もベンゼマを批判しており、今回の騒動に「ショックを受けている」とコメントしている。(c)AFP