【6月3日 AFP】米国の伝説的ポップミュージシャンで4月に57歳で急逝したプリンス(Prince)さんの死因について、地元ミネソタ(Minnesota)州の検視官事務所は2日、鎮痛剤の過剰摂取による事故死だったとの検視結果を発表した。

 同事務所が出した声明によると、プリンスさんが亡くなったのは強力なオピオイド系鎮痛薬フェンタニルの自己投与による「事故」だった。フェンタニルはモルヒネよりも強力な合成麻薬で、慢性痛の緩和に使用される処方薬。

 同州カーバー(Carver)郡保安官事務所は捜査を継続しており、検視官事務所側はこれ以上の詳細については公表していない。

 検視官事務所は、身長160センチだったプリンスさんの体重は51キロだったと明かし、遺灰が収められている場所は不明と記録している。

 プリンスさんは4月21日、自宅兼スタジオのペイズリー・パーク(Paisley Park)で死亡しているのが見つかった。その数日前には、自家用ジェットが緊急着陸する出来事もあり、その原因も鎮痛剤の過剰摂取によるものだったと報じられている。

 カリフォルニア(California)州を拠点とする鎮痛薬依存症の専門医、ハワード・コーンフェルド(Howard Kornfeld)氏の弁護士は先月の発表で、プリンスさんは同氏が治療計画を緊急策定していた最中に死亡したことを明らかにしている。

 プリンスさんは長時間にわたるパフォーマンスで知られ、世間には健康体とみられていたが、2010年には股関節の手術を受けていたほか、私生活が人の目に触れるのを嫌っていた。

 米国ではオピオイド服用の拡大に対する懸念が広がっており、米疾病対策センター(CDC)によると、2014年には同国内で2万6647人がオピオイドにより死亡。死亡例は1999年のほぼ4倍で、薬物の過剰摂取による死亡例のうち61%が鎮痛剤によるものだった。(c)AFP