【6月1日 AFP】国連(UN)は5月31日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からの奪還作戦が展開されているイラクのファルージャ(Fallujah)で、ISが300~400のイラク人家族を「人間の盾」にしようとしている恐れがあると警鐘を鳴らした。

 国連のリズ・グランデ(Lise Grande)国連事務総長特別副代表は記者団に対し「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)によって家族が市の中心部に集められ、そこからの移動を禁止されていることを示す信頼できる情報」を国連当局者が受け取ったと述べた。

 さらにグランデ副代表は「ダーイシュが彼らを人間の盾としているか、そうする意図があることが示唆される」と語り、「もしも武力衝突があれば、彼らは極度に危険な状態になる」と述べた。

 また国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)のイラク事務所代表のピーター・ホーキンス(Peter Hawkins)氏は1日、ファルージャ市内に少なくとも2万人の子どもが閉じこめられているとの推計を示した。

 ホーキンズ氏は「子どもたちは戦闘へ強制的に参加させられたり、家族から引き放されたりする危険性に直面している」と述べ、「大人の戦争で武器を持ち、それを使い戦うことを強要されることによって、子どもたちの生命と未来が脅かされている」と語った。(c)AFP