エルメス、オーストリッチ飼養場で「残酷行為」か PETA指摘
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【6月1日 AFP】仏ファッションブランド、エルメス(Hermes)は5月31日、同社高級ハンドバッグに使用する革の供給業者とされた飼養場での「残酷な行為」を指摘され、弁明を余儀なくされた。
仏パリ(Paris)で行われたエルメスの年次総会で、動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」の広報担当イザベル・ゴッツ(Isabelle Goetz)氏は、「エルメスの専属供給業者」とされる南アフリカの飼養場で、ダチョウが残酷な手法で殺されていることを指摘し、アクセル・デュマ(Axel Dumas)CEOを厳しく問い詰めた。ゴッツ氏は、総会への出席を目的に同社の株を購入していた。
この指摘に対してデュマ氏は、エルメスには「オーストリッチの専属供給業者」などないと述べ、同社は「提携業者らとの関係において、責任を完全に果たしている」と語り、反論した。
2月にインターネットで公開されたPETAの映像には、囲いの中に押し込まれ、電気ショックを与えられた後に喉をかき切られるダチョウの姿が捉えられていた。殺処分は、他の個体からも見える場所で行われていたとされる。飼養場の労働者はPETAに対し、「プラダ(PRADA)」とエルメスが使用する革を供給していると話したという。
最初にこの「残酷な行為」を指摘されたエルメスは、オーストリッチの仕入れは、同社が定期的に点検しているなめし革工場からであって、飼養場から直接ではないとの声明を発表していた。
エルメスのバッグで使用される動物の革をめぐっては、昨年、米テキサス(Texas)州とジンバブエの飼養場で、ワニが「残酷な方法」で殺されていることを示す映像がPETAによって公表され、大きな話題となった。これを受け、英国出身の歌手ジェーン・バーキン(Jane Birkin)さんは、一時、クロコダイル革のバッグ「バーキン・クロコ」から自身の名前を外すようエルメスに求めた。同社はこの映像に「ショックを受けた」と述べ、調査を約束した。(c)AFP