彗星からアミノ酸検出、生命の源を運んだ可能性も
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【5月31日 AFP】地球上の生命の源が天体によって運ばれてきた可能性を示す上で重要となるアミノ酸の一種「グリシン」が、彗星(すいせい)から初めて検出されたとの研究論文がこのほど、発表された。
米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に掲載された研究論文によると、欧州宇宙機関(ESA)の無人探査機「ロゼッタ(Rosetta)」が、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)を取りまくコマから、たんぱく質を構成する有機化合物のグリシンを見つけたという。
主執筆者であるスイス・ベルン大学(University of Bern)ロゼッタ質量分析計「Rosina」主任研究員のキャスリン・アルトウェッグ(Kathrin Altwegg)氏は、「彗星の薄いコマからグリシンが明確に検知されたのは、今回が初めて」としている。
論文によるとグリシンに加え、リンも検知されたという。これらは、DNAや細胞膜のを構成する。
これまでにもコマからグリシンが見つかったケースは報告されていたが、サンプルが地球上の物質によって汚染されていた可能性を排除することができなかった。
地球上の生命を構成する要素をめぐっては、彗星や小惑星の海への衝突によってもたらされた可能性があると長年考えられてきた。(c)AFP