【5月30日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest)で29日、フルマラソン「テンジン・ヒラリー・エベレストマラソン(Tenzing-Hillary Everest Marathon)」が開催され、国内外から150人以上が参加した。世界最高所のマラソンに参加した人々は、雪が残る山麓の丘をトレッキングシューズで駆け抜けた。

 同大会は、1953年5月29日にテンジン・ノルゲイ(Tenzing Norgay)氏とエドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary)卿が達成したエベレスト初登頂を記念して、2003年から毎年開催されている。

 参加者らは、現地時間午前7時(日本時間同日午前10時15分)に標高5364メートルのベースキャンプをスタートし、約2000メートル下に設定されたゴール地点の町ナムチェ・バザール(Namche Bazaar)を目指した。

 大会には、国内の参加者約30人の他、英国や米国、中国、オーストラリアなどからも約130人が参加。優勝したのはネパール軍所属の兵士(29)で、約42キロのコースを4時間10秒で走り終えた。

 ベースキャンプ地点の酸素濃度は、海抜0メートル地点と比べて半分程度と低く、岩だらけの狭いコースでは、最も緩い傾斜の上り坂でさえ息が上がってしまう参加者が続出した。

 今年で4回目の出場となったポーランド人男性(43)は、「これほどの高度で行われるレースは、厳しいがわくわくする。アドレナリンの分泌が止まったら筋肉痛になりそうだ」と語った。

 ネパールでは昨年4月に発生した巨大地震で9000年人近くが死亡した。地震に伴って起きた雪崩によって、ベースキャンプでも数多くの犠牲者が出た。震災の影響から昨年は10月に延期して開催されたが、参加者はわずか50人強だった。(c)AFP