ナチス暗号機をイーベイで発見、1600円で落札 英博物館
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【5月30日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)の総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)が将軍との通信に使用した暗号機のうちの一つが、英国の物置小屋で見つかり、競売サイト「イーベイ(eBay)」に出品され10ポンド(約1600円)で売却された。落札者が29日、明らかにした。
イングランド(England)南部バッキンガムシャー(Buckinghamshire)州のブレッチリー・パーク(Bletchley Park)にある英国立コンピュータ博物館(National Museum of Computing)の研究者らは、この暗号機がイーベイで「電報の機械」として9.5ポンドで競売にかけられているのを発見。ナチス・ドイツ軍が最高機密の情報をやりとりするのに使用していた暗号機「ローレンツ(Lorenz)」である可能性があると判断した。
博物館のボランティア、ジョン・ウェッター(John Whetter)さんは英国放送協会(BBC)に対し、「同僚がイーベイでテレプリンター(電信印刷機)のように見えるものの写真を見つけた」と語った。ウェッターさんは、機械が見つかった南東部サウスエンド(Southend)を訪問。タイプライターのような機械は物置小屋の床に置かれ、「がらくた」に囲まれていたという。
「『どうもありがとうございます。おいくらでしたっけ?』と言うと、彼女(出品者)は『9.5ポンドです』と。なので『10ポンド札をどうぞ。お釣りは要りません』と言いました」(ウェッターさん)
「ローレンツ」は第2次世界大戦(World War II)中、ヒトラーと将軍らとの間の個人的通信に使用されていた。国立コンピュータ博物館のアンディ・クラーク(Andy Clark)理事長によると、有名なナチスの暗号機「エニグマ(Enigma)」よりもはるかに大きく複雑な作りだという。
見つかった暗号機にはモーター部分がなくなっており、博物館は代用部品を探している。(c)AFP