【5月29日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は28日、宇宙空間で膨らませて利用する国際宇宙ステーション(ISS)の仮設居住モジュールの運用試験で、モジュールを完全な大きさにまで膨らませることに成功した。2日前の最初の試みでは、モジュールが完全に膨らまず、試験を中止していた。

 NASAのジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams)飛行士は手動弁を使い、7時間以上かけてISSから「ビゲロー拡張可能活動モジュール(Bigelow Expandable Activity ModuleBEAM)」として知られるこの居住モジュールに送風した。BEAMはゆっくりと膨らみ、(米東部夏時間の28日)午後4時10分(日本時間29日午前5時10分)に170センチに達した。

 ウィリアムズ飛行士はその後、BEAM内部の8つの空気タンクを開け、ISS内の気圧に近いレベルまでBEAM内部を加圧した。

 NASAによると、宇宙飛行士らはBEAMから空気が漏れないかどうかなどを確認する一連のテストや準備を行い、1週間以内に、ISSのモジュール「トランクウィリティー(Tranquility)」からBEAM内部へ初めて入る予定だという。

 NASAは、宇宙飛行士らが将来、月や火星で使用する可能性があるとしてこの膨らむ仮設居住モジュールを試験している。(c)AFP