【5月27日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の監督就任が報じられたジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏。モウリーニョ氏といえば、他チームの指揮官にけんかを売ることで有名だ。そんなモウリーニョ氏が誰よりも敵意をむき出しにしてきたのが、来季からマンチェスター・シティ(Manchester City)の指揮を執るジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)氏だ。この2人の直接対決が実現すれば、世界で最も熱いサッカーの街マンチェスター(Manchester)は、信じられないほどの熱狂に包まれるだろう。

 両クラブの練習場は、2年前までカーリントン(Carrington)のほとんど隣りあわせといえる距離にあったが、シティは2年前、本拠地エティハド・スタジアム(Etihad Stadium)のそばのイーストランズ(Eastlands)に練習グラウンドを移転した。そのため、モウリーニョ氏とグアルディオラ氏が普段から鉢合わせすることは少ないかもしれないが、それでも近いことに変わりはない。

 マドリード(Madrid)の新聞マルカ(Marca)は23日、「因縁の対決、今度の舞台はマンチェスター」と見出しをつけた。とはいえ、両者が最初に対決する場所は中国の北京(Beijing)になる。ユナイテッドとシティは、7月25日から始まるインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(ICC)の中国ラウンドに出場を予定している。

 因縁の始まりは、2008年にさかのぼる。バルセロナは当時フリーだったモウリーニョ氏には目もくれず、トップチームを率いたことがないグアルディオラ氏をBチームから昇格させた。結果から言えば、この人事は成功した。バルセロナは2009年に欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)、スペイン1部リーグ、スペイン国王杯(Copa Del Rey)の3冠を達成。指導者としてのグアルディオラ氏の世界的評価は一気に高まった。

 一方、モウリーニョ氏はイタリア・セリエAのインテル(Inter Milan)の監督に就任。2010年には準決勝でグアルディオラ氏の率いるバルセロナを破り、チャンピオンズリーグ制覇を果たしている。当時のモウリーニョ氏のはしゃぎぶりは、試合終了後にバルセロナのGKビクトル・バルデス(Victor Valdes)が制止に入るほどだった。