【5月26日 AFP】大西洋単独横断ヨットレース「ザ・トランサット(The Transat 2016)」で、北田浩(Hiroshi Kitada)さんが25日、日本人では初となる完走を果たした。タイムは、22日18時間3分だった。

 北田さんは当初、別の大西洋横断レース「ルト・ドゥ・ロム(Route du Rhum)」に出場すべくフランスを拠点に活動していたが、今回は大きな危険が待っているのを承知で、ザ・トランサットに挑戦することを決断した。

 ザ・トランサットは、英南西部プリマス(Plymouth)から米ニューヨーク(New York)を目指す大西洋単独横断レース。ゴールした北田さんは、「とてもうれしいです。言葉では言い表せない気持ちです」と喜びを語った。

「周りからは、どうして出ることにしたんだと口々に言われたのですが、最初はその意味が理解できませんでした。これが世界一厳しいレースだということを知って、そこからすべてが始まりました」

 51歳の北田さんは、クラス40という階級で出場。完走した中では最下位で、真っ先に到着した別階級の選手と比べると、約2週間遅れでのゴールだった。

 それでも、1960年に開催された第1回大会では、優勝者でもゴールに40日以上を要しており、北田さんはそれよりもはるかに短い時間で完走を果たしている。

「完走できたことをとても誇らしく思います。すごく大変でしたが、やり遂げることができてうれしいです。3週間のレースを一言で表すなら、格闘技ですね。それが頭に浮かびます」

「スタミナが必要ですが、それだけでなく、あらゆる困難に立ち向かわなくてはなりません。自分が何を成し遂げたのかという実感はまだありませんが、きれいですね。太陽、摩天楼、そしてニューヨーク!」

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