【5月24日 AFP】ブラジルの科学者らは23日、頭部や脳の先天性障害「小頭症」の原因と指摘されているジカウイルスについて、ネッタイシマカが媒介していることを示す明確な証拠を初めて見つけたと発表した。

 国際研究機関はここ数か月間、ジカウイルスを媒介しているのは主にネッタイシマカであるとしてきたが、これまでにウイルスを持つネッタイシマカはアメリカ大陸で見つかってはいなかった。

 しかしこのほど、ブラジルのオズワルド・クルツ研究所(Oswaldo Cruz Institute)の研究チームは、同国北部リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)州で捕らえたネッタイシマカの一部からジカウイルスが見つかったことを明らかにした。

 研究チームは10か月間に蚊の成虫約1500匹を捕らえた。うちの半数はネッタイシマカだった。ジカウイルスは、ネッタイシマカからのみ見つかったという。

 研究所のウェブサイトに発表の声明には、「ブラジルでは、ネッタイシマカが最大のジカウイルスの媒介生物である可能性がさらに強まった」と記された。研究結果については現在、専門誌への掲載準備が進められているとされた。

 ブラジル保健省は18日、ジカウイルスの感染拡大以降に生まれた小頭症の子どもは1384人に上り、また59人が死亡と発表している。(c)AFP