香港の自由懸念のアート作品、「敬意を欠く」として展示中止に
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【5月23日 AFP】中国政府の下での香港の自由に関する懸念の高まりをテーマに、香港一の高層ビルで展示されたインスタレーション作品が、「敬意を欠いている」として当局により展示を中止された。
この作品は、1997年の英国から中国への香港返還時に、香港に対し返還後50年間の「高度の自治」を保証した合意が期限を迎える2047年に向けてカウントダウンする巨大なデジタル時計をモチーフとしたもの。ハーバーフロントにそびえ立つ高さ484メートルの超高層ビル「環球貿易広場(ICC)」の側面に17日から表示され、毎夜約1分間、点灯していた。
だが表示期間は、中国全国人民代表大会(全人代)の張徳江(Zhang Dejiang)常務委員長の3日間の香港訪問と重なってしまった上、張氏はICCタワーの斜め向かい、ビクトリアハーバー(Victoria Harbour)の対岸に位置するホテルに宿泊した。
香港芸術発展局(Hong Kong Arts Development Council)は22日、「遺憾ながら、この作品が展示から除外される旨を通達する」と声明を発表。敬意に欠く作品であり「われわれの専門的職業と、公共空間における将来の活動の可能性を危険にさらすものだ」と述べた。
アーティストのサンプソン・ウォン(Sampson Wong)さんはフェイスブック(Facebook)の自らのページ上で、当初6月22日まで予定されていた作品の展示が、当局によって中止させられたことを認め「歴史が結論を示すだろう…誰が美術界を傷つけ、そのプロフェッショナリズムを危険にさらしているのかを」と述べた。(c)AFP