【5月24日 AFP】デジタル世代の子どもたちを引き付けようとする玩具市場の競争の中で、人気ブロック玩具「レゴ(Lego)」に暴力的な要素が増しているとする研究結果が23日発表された。

 レゴのシリーズに武器が登場したり、戦争のようなストーリーが現れたりする割合が増えていると指摘したのは、ニュージーランド・カンタベリー大学(University of Canterbury)の研究チーム。

 米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に発表された論文の主著者、クリストフ・バートネック(Christoph Bartneck)氏は「レゴ社の製品は以前ほど無邪気でなくなっている。レゴにおける暴力的要素は、単に遊びを面白くするという度合いを越えているよう見える」と述べた。

 論文はレゴでは「暴力的要素が時間と共に指数関数的に増加している」と結論付けている。

 デンマークを本拠とするレゴは1949年以来、プラスチック製のブロック玩具を製造。今回の研究によると、シリーズに最初に武器が登場したのは1978年のことで、城作りのセットの中に含まれていた剣とおの、やりだった。その後、武器の登場回数は次第に増え、現在はレゴのシリーズの30%に武器が含まれているという。

 レゴは単に子どもの玩具や娯楽の流行を反映しているだけだと研究は述べている。そして「玩具メーカーは自分たちの顧客の注意を引こうとするばかりに、いっそう刺激的な製品を打ち出す隠喩的な軍拡競争にはまり込んでいる」と指摘している。

 バートネック氏は13年にも、レゴの人形の顔の中で、笑い顔の数が減っている一方、怒った顔が増えているとする別の研究結果を発表している。(c)AFP/Neil SANDS