規模拡大で複雑化したスーパーラグビー、レベル低下の声も
このニュースをシェア
【5月24日 AFP】世界最高峰リーグの「スーパーラグビー(Super Rugby)」は、今季新たに2つの国が加わり史上最多の18チームが参戦しているが、大きすぎる規模、複雑すぎるリーグ構成、そして期待外れのレベルで、厳しい批判にさらされている。
1980年代に6チームから成る「サウスパシフィック・チャンピオンシップ(South Pacific Championship)」として始まったスーパーラグビーだが、現在は16のタイムゾーンにまたがり、18チームが参戦する巨大リーグに成長した。
今季から新たにアルゼンチンと日本が加わったことにより、放映権料の増収が見込まれ、ラグビーが新しい市場を開拓する指標となるはずだった。
ところが、試合のレベルと観客動員数は下降線をたどっており、4カンファレンスに分かれて複雑化したことで混乱が生じ、中でも最強国のニュージーランドが一番の不利益を受けているようだ。
サンウルブズ(Sunwolves)がチーターズ(Central Cheetahs、南アフリカ)に喫した17-92の惨敗、ジャガーズ(Jaguares、アルゼンチン)がキングズ(Southern Kings、南アフリカ)に収めた73-27の大勝など、目を見張るようなスコアも、プラスの効果はもたらしていない。
元オーストラリア代表指揮官で、現在イングランド代表を率いるエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は、「ほとんどの試合を見ているが、眠たくなるような試合もいくつかある」と公言している。
「今年は最高レベルとは思えない。18チームが参戦して、実際にはレベルが落ちている」
南アフリカ・カンファレンスでは、サンウルブズ、ジャガーズ、キングズの3チームが、それぞれ11試合を消化した時点で計4勝しか挙げていない。さらに、オーストラリア・カンファレンスも地元有識者からの評価は低く「二流」呼ばわりされている。
遠征スケジュールも過酷なものとなっており、サンウルブズを例に挙げると、ホームゲームは東京だけでなくシンガポールで行われる上、アウェーゲームは南アフリカまで行くことになる。