【5月20日 AFP】地中海(Mediterranean Sea)で19日に起きたパリ(Paris)発カイロ(Cairo)行きエジプト航空(EgyptAir)機墜落の原因はいくつか考えられるものの、航空専門家らは、テロ攻撃を受けて墜落した可能性が最も高いとの見解を示している。

 仏エジプト両国は、ここ数か月の間、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の主要な攻撃対象となっている。

 昨年10月には、エジプト・シナイ半島(Sinai Peninsula)の観光地シャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)からロシア・サンクトペテルブルク(St. Petersburg)に向けて出発した露コガリムアビア(Kogalymavia)航空(通称メトロジェット(Metrojet))のエアバス(Airbus)A321型機内で、爆弾が爆発。同機はシナイ半島の砂漠地帯に墜落し、乗客乗員224人全員が死亡。ISが犯行を認める声明を出した。

 エジプトのシェリフ・ファトヒ(Sherif Fathy)民間航空相は、今回のエジプト機墜落について、「技術的なものというよりは、テロ攻撃だった可能性の方が高い」との見解を表明しており、航空専門家らも機材トラブルが原因である可能性はほぼないとしている。

 墜落したA320型機が運用を開始したのは2003年で、通常30~40年運用される航空機としては比較的新しかった。さらに、航空専門家のジェラール・フェルゼー(Gerard Feldzer)氏によると、A320は世界で最も売れている中距離機で、世界のどこかで30秒に1機が離着陸しており、安全面での実績は非常に優秀だという。

 専門家らはまた、同機が地上から撃墜されたとは考えにくいとしている。同機は当時、高度1万1000メートルを飛行し、ギリシャのカルパトス(Karpathos)島から130カイリ(約240キロ)の地中海上空で消息を絶った。中東の過激派組織が使用する携行型ロケット発射装置では届かない位置だ。