【5月20日 AFP】ロシアの検察当局は19日、五輪で同国の選手がドーピングを行っていたとされる疑惑について捜査を開始したと明かした。

 国際オリンピック委員会(IOC)は17日、2008年北京五輪の際に採取されていた検体について新たに検査を行ったところ、31選手のサンプルから陽性反応が検出されたと発表している。

 また、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は今週、米国の司法当局がロシア人選手のドーピング疑惑について独自の捜査を開始したと報じている。

 ロシア検察は、「一連のメディアによる報道や世界反ドーピング機関(WADA)が発表した北京五輪、ソチ冬季五輪でのロシア人選手のドーピング使用に関する情報を捜査している」司法当局、スポーツ省、ロシア五輪委員会(ROC)の一員に加わったとしている。

「われわれは米国の司法当局に情報提供を呼びかける予定だ。また、各国とドーピング使用疑惑に関する情報を交換する」

 同検察は声明で、WADAにも情報提供を求めると明かしている。

 また、ロシア政府のウラジーミル・マルキン(Vladimir Markin)報道官は、政府も「組織的ドーピング違反」の疑惑について「予備調査」を行っているとしている。

「われわれはモスクワ反ドーピングセンター(Antidoping Centre Moscow)の元所長であるグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)氏、露反ドーピング機関(RUSADA)の元職員であるヴィターリー・ステパノフ(Vitaly Stepanov)氏が語ったとされる数々の記事の情報を調査している」

 現在米国で身をひそめているロドチェンコ氏は、ロシアのシークレットサービスと政府高官が2014年のソチ冬季五輪で陽性反応を示したロシア人選手の検体を差し替えるなど、ドーピング検査の結果を覆したと明かしている。

 ロシア陸上競技連盟(ARAF)は昨年、ドーピング問題で国際陸上競技連盟(IAAF)から資格停止処分を受けており、同国の陸上競技選手は今夏のリオデジャネイロ五輪出場が危ぶまれている。(c)AFP