2. 指導のバリエーション

 バルセロナが取り入れたことでも知られるショートパス主体の戦術「ティキ・タカ」は、2008年から2012年までの間、スペイン代表に主要タイトルを3つもたらした。

「スペインサッカーは非常にテクニカルだ。最高のサッカーがある」と言うのは、チャンピオンズリーグの準決勝でレアルの前に屈した、マンチェスター・シティ(Manchester City)のマヌエル・ペジェグリーニ(Manuel Pellegrini)監督だ。

 しかしそれだけではない。欧州カップ戦で次々に成功を収めるスペインチームは、優れた指導者が編み出した戦略を駆使している。

 ディエゴ・シメオネ(Diego Simeone)監督率いるアトレティコは、スタイルの面でバルセロナにかなわなかったかもしれないが、その強固な守備が欧州の強豪を苦しめている。

 レアル、セビージャ、ビジャレアルには絶対にカウンターアタックを許してはならないし、アスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)のセットプレーにも手がつけられない。

 これらのバリエーションが、他のライバルよりも、ゲームを読みづらくしているのだ。