【5月18日 AFP】地球上に複雑な生命体が誕生し始めたのは、従来の説を10億年近くさかのぼる15億年以上前だということを示す化石を発見したとの研究論文が17日、発表された。

 だが、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に発表された論文をめぐっては、瞬く間に論争が巻き起り、信頼できると評価する科学者もいれば、全く納得できないとする科学者もいる。

 生命は、原始スープから最初に誕生してから数十億年は原始的な単細胞のままだったが、やがてそれらの単細胞の一部が、コロニー内のクローン細胞群のような集合体を形成した。

 科学者らは、そうした集合体の形成が発生するまでの期間の後期を、進化が止まっていたかのように思われたことから「退屈な10億年」と呼んでいる。

 だが、ある時点で、複雑性を持つ多細胞生物(複合生物)への大きな進化が起きた。これはほぼ間違いなく、生命の出現に次いで2番目に重要な出来事と考えられる。

 この進化によって漸次的に、これまで地球上に存在したすべての動植物が誕生してきた。

 それぞれが膜で覆われた遺伝物質を含む核を持つ分化した細胞から成る「多細胞真核生物」が出現した正確な時期がいつかという問題は長年、科学者たちの感情を刺激してきた。今回発表された論文は、議論をさらに過熱させるに違いない。