シリア首都近郊、反体制派内の衝突で52人死亡 監視団発表
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【5月18日 AFP】シリアの首都ダマスカス(Damascus)東郊にある東グータ(Eastern Ghouta)地区で17日、反体制派の中で敵対する組織同士が衝突し、少なくとも戦闘員50人、一般市民2人が死亡した。在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が発表した。
反体制派の拠点となっている東グータ地区ではこのところ、有力組織「ジャイシュ・アル・イスラム(Jaish al-Islam、イスラム軍)」と、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のシリア武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」が率いる敵対派閥との衝突が後を絶たない。
監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、ここ3週間近く続いている戦闘で、500人を超える戦闘員と一般市民12人が死亡したという。犠牲になった市民の一人は、東グータ地区で診療を続けていた唯一の婦人科医だったという。
東グータは、反体制派がダマスカス郊外県で最大の拠点としている場所で、同地区を長く支配してきたのがイスラム軍だった。
サウジアラビアからの支援を受けているイスラム軍は、国連(UN)が仲介する和平協議で反体制派を代表する「高等交渉委員会(HNC)」に加わっている主要組織の一つ。しかし最近になって、アルヌスラ戦線が率いる2組織から攻撃を受けていた。
地元の住民や当局者らは、この衝突を終わらせるため仲介に乗り出すとともに、抗議行動を展開して戦闘の当事者らに無駄な血を流すのをやめるよう呼び掛けている。(c)AFP