文革50年、中国国営メディアは黙殺 今も続く言論統制
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【5月17日 AFP】中国の文化大革命発動から50年を迎えた16日、同国の国営メディア各社は、10年間にわたり騒乱を巻き起こし多数の人々の命を奪ったこの政治運動について、ほぼ沈黙を貫いた。中国本土では、文革に関する議論は現在も規制されている。
一党支配を続ける中国共産党の機関紙・人民日報(People's Daily)は中国語版、英語版ともに、1966年の文革開始から50年の節目について取り上げることはなかった。また、同紙系列の国営英字紙・環球時報(Global Times)は、文革ゆかりの品が人気を集めていることを伝えるAFPの記事から、政治的な背景についての言及部分を削除したうえで、5段落分のみ掲載した。
中国共産党は1981年、文革が国内の騒乱をもたらし、党や国家、国民に悲劇的な結果をもたらした重大な過ちだったと公式に認めたが、最も大きな責任を負うのは毛沢東(Mao Zedong)だとして、党の落ち度を問う声をかわした。中国共産党は現在も、文革に関する議論を認めていない。
16日に行われた定例記者会見で「文革50年」について質問を受けた洪磊(Hong Lei)外務省報道官は、「中国政府はその問題について、ずっと以前に正しい結論を出している」と答えるにとどまった。
中国版ツイッター(Twitter)の「新浪微博(Sina Weibo)」では文革の話題に関する検閲が行われ、ユーザーの投稿が次々と削除された。(c)AFP