【5月17日 AFP】がんで陰茎の大半を失った64歳の男性に、米国初の陰茎移植手術が実施された。医師らが16日、明らかにした。男性は手術後、順調な回復をみせているという。

 15時間に及ぶ移植手術は今月、米ボストン(Boston)のマサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)で行われた。陰茎移植手術は、世界で知られている中で今回が3例目。

 同病院は、声明で「今回の患者、米マサチューセッツ(Massachusetts)州ハリファックス(Halifax)在住の64歳のトーマス・マニング(Thomas Manning)さんは、順調な回復を続けている。ドナー臓器への血流が確立されており、出血、拒絶反応、感染症などの兆候は全くみられない」と述べた。

「患者は依然として、術後の治癒過程の初期段階にあるが、担当医師らは、マニングさんが2012年に失った機能を取り戻せると、慎重ながら楽観的な見方を示している」

 移植された陰茎は、マニングさんと血液型や肌の色合いが適合する、死亡したドナーから提供された。

 匿名を希望するドナーとその家族に感謝の意を表したマニングさんは、陰茎を失うことに関連する恥と不名誉を一掃するために、自分自身のいきさつを公表。声明で、「今回の成功を世界の人々と共有することで、この種の移植手術にとっての輝かしい未来の到来を告げることができればと願っている」と述べた。